「家族って何だろう」と考えさせられる作品

 今回の舞台「これだけはわかってる」も家族のお話です。私自身の家族を見ているようでもあり、全然違うようでもあり。誰しもが感じたことのある情景が描かれているから、負の感情がぶつかりあう場面でも、共感できてしまう。だから演じていて気持ちが良いです。
 私にとって家族は一番近い存在だからこそ、「離れる」とはどういうことかいつも心にあったので、この作品を通じて「家族って何だろう」と改めて考えさせられました。
 でも、毎日大変なんです。映像は、長い時間をかけて台本を読みこんで撮影本番ですべてを出すという仕事のスタイルですが、そういうこれまでのサイクルが通用しなくて。完成したらいけないというか…。けどどうしても完成を追いたくなってしまうんです。まだまだ自分自身のことで手一杯ですが、少しずつ、一緒に演じる役者さんの変化にも気付けるようになれたらなと思います。
 私は映画が大好きで、大学も映画学科に進学しました。悲しい気持ちの時には悲しい映画を観て、とことん悲しくなって、映画にその時の自分の気持ちを引っ張ってもらって、生きるエネルギーを得ています。
 お客様がこの舞台を観て、家族を思い出したり、自分の中に眠っていた家族への想いを呼び起こしてもらえたらうれしいです。

山口まゆ(やまぐち・まゆ)
2000年11月20日、東京都生まれ。身長157センチ。趣味・特技/映画鑑賞・読書。

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tsp NextStage
これだけはわかってる~Things I know to be true

作:アンドリュー・ボヴェル
演出:荒井遼
出演:南果歩 栗原英雄 山下リオ 市川知宏 入江甚儀 山口まゆ

東京・東京芸術劇場シアターウエスト
6月30日(金)~7月9日(日)