『おつまミステリー』浅暮三文著
[レビュアー] 産経新聞社
推理作家の著者が、街のスナックなどで、小皿にのって出てくる乾き物などの「おつまみ」にロックオン。誰もが知っているが、どこの誰かはよく知らない-なんだか「月光仮面」のようなおつまみの“素顔”に迫る異色エッセー。
登場するのは約30のおつまみ。生産地は世界で一カ所というジャイアントコーンをはじめ、和洋折衷の代表・チーズ鱈(たら)、高度成長期の起死回生商品・カリカリ梅、近年再ブームのレーズンバターにサラミ、一口ツナ、品川巻き…。
誕生秘話などのエピソードを縦横無尽のアプローチで紹介する。本をつまみに一杯やりたくなる。(柏書房・1800円+税)