「怖い。怖いのに読み返したくなる……」ホラーが苦手な南沢奈央 話題の『口に関するアンケート』を読んでしまう[文芸書ベストセラー]

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 10月8日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『口に関するアンケート』が獲得した。
 第2位は『生殖記』。第3位は『愛しさに気づかぬうちに』となった。

 1位の『口に関するアンケート』は気鋭のホラー作家・背筋さんの作品。内容はまず、肝試しに向かった大学生グループが、そこで起こった出来事について各々の視点の証言からはじまる。そしてそのあとに表題となっている「アンケート」がはじまる。文庫本よりも小さい手のひらサイズに加え、ページ数も60ページ程度と手軽ながら、恐ろしい展開が待ち受けている作品として大きな話題となっている。

 俳優の南沢奈央さんはBook Bangの連載コラム「南沢奈央の読書日記」で同作をとりあげた。南沢さんはホラーが苦手ながら、同作を書店で見つけ、タイトルの意味が気になりつい手に取ってしまったという。そして60ページの証言を読んだのち、問題のアンケートに進むと《アンケート形式だからとさくさくと回答していくと末恐ろしい結末が待っているのだ。わたしが序盤に想像した構成や物語の展開への見事な裏切り、さらに奥の奥の真相が浮かびあがってくる仕掛けには鳥肌が立った。》とその結末に恐怖したと語る。さらに《実は60ページの物語よりも、ラスト2ページのアンケートの方が怖い。怖いのに、また冒頭から読み返したくなる中毒性。》とすっかり同作の魅力にはまってしまったことを明かしている。

1位『口に関するアンケート』背筋[著](ポプラ社)

口に関するアンケート(ポプラ社ウェブサイトより)

2位『生殖記』朝井リョウ[著](小学館)

『正欲』から3年半ぶりとなる最新長篇 とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。(小学館ウェブサイトより)

3位『愛しさに気づかぬうちに』川口俊和[著](サンマーク出版)

『コーヒーが冷めないうちに』シリーズ第6巻、発売!とある町のとある喫茶店のとある座席には不思議な都市伝説があった その席に座るとその席に座っている間だけ望んだ通りの「時間」に移動ができるという ただし、そこにはめんどくさい……非常にめんどくさいルールがあった(中略)喫茶店の名前は、フニクリフニクラこの物語は、そんな不思議な喫茶店で起こった心温まる四つの奇跡。(サンマーク出版ウェブサイトより)

4位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈[著](新潮社)

5位『穢れた聖地巡礼について』背筋[著](KADOKAWA)

6位『魔王様、リトライ! 10』神埼黒音[著](双葉社)

7位『近畿地方のある場所について』背筋[著](KADOKAWA)

8位『新装版 京都 ものがたりの道』彬子女王[著](毎日新聞出版)

9位『魔法使いと愉快な仲間たち3 ~モフモフと新しい命と心機一転~』小鳥屋エム[著](KADOKAWA)

10位『新 謎解きはディナーのあとで2』東川篤哉[著](小学館)

〈文芸書ランキング10月8日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年10月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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