『江戸・明治のロゴ図鑑』
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『江戸・明治のロゴ図鑑』友利昴著
[レビュアー] 産経新聞社
日本で企業のロゴマークなどを保護する商標登録制度が始まってから、今年で140年。本書は、明治時代に登録された約5万2000件の商標の中からデザイン性に優れたものや歴史的な逸話があるものを厳選し、ロゴマークを通して近代日本の産業史を振り返る。
記念すべき登録商標第1号は、京都の売薬商人、平井祐喜が出願した膏薬(こうやく)「養命膏」。包丁で指を切ってしまった困り顔の丁稚(でっち)のイラストで、家紋調のロゴマークが多い明治初期ではひときわ異彩を放つ。薬やしょうゆ、清酒といった庶民に身近な商品は、偽造品が出回っていた。そんな世相も浮かび上がる。(作品社・2640円)