「地方都市の閉塞感と女のイヤな部分を書かせたら当代一」藤ヶ谷太輔・奈緒主演の映画も公開 辻村深月のベストセラー『傲慢と善良』がランクイン[文庫ベストセラー]

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 10月1日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文庫第1位は『透明な螺旋』が獲得した。
 第2位は『百年の孤独』。第3位は『傲慢と善良』となった。

 3位の『傲慢と善良』は辻村深月さんが2019年に発表した恋愛ミステリの傑作だ。第36回織田作之助賞の候補作に選出され、第7回ブクログ大賞小説部門も受賞。累計発行部数は100万部を突破している。結婚を望むイケメン経営者の西澤架が主人公。婚活の末に出会った婚約者が突然失踪し、その手がかりを探すうちに彼女の過去と向き合うこととなる。

 翻訳家・評論家の 大森望さんは《親兄弟や友人知人まで含めた多様な結婚観と、それにまつわる傲慢さ善良さがこれでもかと暴かれ、思わずぞっとすることもしばしば。地方都市の閉塞感と女のイヤな部分を書かせたら当代一の著者の筆が、絶好の題材と舞台を得て、すばらしく冴え渡る。》と紹介。《結婚がこんなにおそろしいものだったとは……。それだけに、第二部の転調と鮮やかな結末には脱帽するしかない。》と同書を高く評価している。

 9月27日より映画版も公開された。西澤を藤ヶ谷太輔さん、婚約者を奈緒さんが演じ、共演は倉悠貴さん、桜庭ななみさんら。映画は9月30日に発表された動員ランキングにも初登場6位でランクインし、好調な滑り出しを見せている。

1位『透明な螺旋』東野圭吾[著](文藝春秋)

誰も知らなかった湯川(ガリレオ)の秘密 南房総沖に、男の銃殺死体が浮かんだ。同時に、男の行方不明者届を出していた同居人の女が行方をくらませた。捜査にあたった草薙と内海薫はその過程で、思いがけず湯川学の名前に行きつく。草薙はすぐさま湯川の元を訪れたが、彼はそこ、横須賀のマンションで意外な生活を送っていた――。巻末に短篇「重命る(かさなる)」を特別収録。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『百年の孤独』G.ガルシア=マルケス[著]鼓直[訳](新潮社)

蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族、その百年の物語。錬金術に魅了される家長。いとこでもある妻とその子供たち。そしてどこからか到来する文明の印……。目も眩むような不思議な出来事が延々と続くが、予言者が羊皮紙に書き残した謎が解読された時、一族の波乱に満ちた歴史は劇的な最後を迎えるのだった。世界的ベストセラーとなった20世紀文学屈指の傑作。(新潮社ウェブサイトより)

3位『傲慢と善良』辻村深月[著](朝日新聞出版)

婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。《解説・朝井リョウ》(朝日新聞出版ウェブサイトより)

4位『傷痕のメッセージ』知念実希人[著](KADOKAWA)

5位『赤と青のガウン オックスフォード留学記』彬子女王[著](PHP研究所)

6位『珈琲色のテーブルクロス 杉原爽香51歳の冬』赤川次郎[著](光文社)

7位『仮面』伊岡瞬[著](KADOKAWA)

8位『高校事変 22』松岡圭祐[著](KADOKAWA)

9位『母の待つ里』浅田次郎[著](新潮社)

10位『赤と青とエスキース』青山美智子[著](PHP研究所)

〈文庫ランキング 10月1日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年10月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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