「石破」と「麻生」が合わないワケだ…読書好きな石破新総理の「勉強法」から見えてきた2人の決定的違い

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 そんな石破首相は、著書も数多い。そのうちの一冊、『異論正論』(新潮新書)の中では、本を用いての自分なりの勉強法について語っている。リアル書店に出向いて本を選ぶことが、生活の一部に組み込まれていたようだ(以下、同書より抜粋・引用)。

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私の勉強法

 週に1回は、大型書店、主に八重洲ブックセンターに行くのが習慣となっています。書店の棚を見ると、読んだことのない本が毎回、数多く並んでいます。
 
 一つの分野、国について理解しようとするだけでも、膨大な数の書籍に目を通す必要があります。官僚からのレクチャーはある意味、必要最低限をカバーするものだと思った方がいいと思います。
 
 それにどれだけ上乗せして考えられるか。世界とは何か、宗教とは何か、現代政治はどう動くか。そうした大きなことについて、政治家は自分の言葉で語れなければならない、と私は考えています。
 
 多くの先人が、そのためには古典を読むべきだ、ということを示唆しています。そのとおりで、長い年月を経てなお生き残っている書物には学ぶべきところが多々あります。
 
 個人的には、若い頃から小室直樹氏にも大変影響を受けました。異端の学者として知られる小室氏ですが、その安全保障や政治、社会についての指摘はいまなお参考にすべき点が多々あります。その後継者とも言うべき橋爪大三郎氏の著作にもいつも蒙を啓(ひら)かれる思いです。「ああそうだったのか」と思う。
 
 あくまでも私個人のスタイルですが、はじめに広くテーマについて学ぶ中で、「この人の視点が面白い」と感じたら、その人の著作をできるかぎり読んでみることにしています。私淑ということになりますが、一度とことんその著者の思考法や知見を追いかけます。例えば小室氏、橋爪氏、あるいは半藤一利氏や保阪正康氏です。近現代の歴史、特に大戦前後のことをリアルに語れる方で、ご存命なのはもう保阪氏くらいかもしれません。

新潮社
2024年10月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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1896年(明治29年)創立。『斜陽』(太宰治)や『金閣寺』(三島由紀夫)、『さくらえび』(さくらももこ)、『1Q84』(村上春樹)、近年では『大家さんと僕』(矢部太郎)などのベストセラー作品を刊行している総合出版社。「新潮文庫の100冊」でお馴染みの新潮文庫や新潮新書、新潮クレスト・ブックス、とんぼの本などを刊行しているほか、「週刊新潮」「新潮」「芸術新潮」「nicola」「ニコ☆プチ」「ENGINE」などの雑誌も手掛けている。

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