「石破」と「麻生」が合わないワケだ…読書好きな石破新総理の「勉強法」から見えてきた2人の決定的違い

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議員会館の事務所で本棚を見せる石破茂氏(2018年撮影

 先日、自民党中央政治大学院で、その保阪正康氏を講師として石橋湛山(たんざん)について学ぶ機会がありました。そこで、ロンドン海軍軍縮条約締結の際の統帥権干犯(とう すいけんかんぱん)事件についての見解をご教示いただき、深く納得し、また共感したことでした。
 
 保阪氏は、「統帥権の独立よりも、陸海軍大臣現役将官制の方が弊害は大きく、それがこの問題の本質である」と指摘され、これは正鵠(せいこく)を射たものと思います。保阪氏や半藤氏の著作を読むにつけ、近現代史に関する自分の知識と理解の浅薄さに気付かされます。
 
 ヤルタ会談とは何か。ズデーテン侵攻とは何か。ポツダム宣言とは何か。
 
 こうしたことを体系的に頭に入れておくことが、外交においても、また将来の有事においても、必ず役に立つと考えているのです。
 
 本を読みこむときは、大切なところに線を引きます。そうやって頭に入れて、咀嚼(そしゃく)できたら、講演などでその話を取り入れてみます。こうして少しずつ、自分の言葉にしていく努力をします。
 
 より本質的なことは、自分で本などを読んだり、人に話を聞いたりして学び続けるしかありません。
 
 ***

 総理となった今、その勉強の成果がこれから国民のために活かされることが望まれる。

新潮社
2024年10月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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1896年(明治29年)創立。『斜陽』(太宰治)や『金閣寺』(三島由紀夫)、『さくらえび』(さくらももこ)、『1Q84』(村上春樹)、近年では『大家さんと僕』(矢部太郎)などのベストセラー作品を刊行している総合出版社。「新潮文庫の100冊」でお馴染みの新潮文庫や新潮新書、新潮クレスト・ブックス、とんぼの本などを刊行しているほか、「週刊新潮」「新潮」「芸術新潮」「nicola」「ニコ☆プチ」「ENGINE」などの雑誌も手掛けている。

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