「私たちはこれからどんなツケを払うのか」異次元緩和がもたらした「危機」の本質を解説した一冊に注目集まる[新書ベストセラー]

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 9月25日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が獲得した。
 第2位は『老いの深み』。第3位は『異次元緩和の罪と罰』となった。

 3位に初登場の『異次元緩和の罪と罰』は日本銀行元理事・山本謙三さんの著作。2013年4月からはじまった大規模な金融緩和政策、異次元緩和がもたらした「危機」について解説した一冊。大規模な緩和結果、積み上がった国債とETFはどうするのか? リスクに見合った成果は出たのか? 出口戦略に立ちはだかった困難とは? 痛みを伴う財政再建へ向かうのか? 異次元緩和の成果を総括し、日本経済が迎えた困難と私たちの生活への影響を解説する。7月末の利上げとその後に起きた円相場の急騰と株価の急落をみると、金融正常化の道筋は容易ではないとの観測もある。故・安倍晋三元首相が導いた異次元緩和。その結末をどう導くのか、自民党新総裁の手腕が試される。

1位『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆[著](集英社)

「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。(集英社ウェブサイトより)

2位『老いの深み』黒井千次[著](中央公論新社)

80代から90代の大台へと足を踏み入れた作家がつづる日常。少しずつ縮む散歩の距離、少量の水にむせる苦しさ、朝ぼんやりと過ごす時間の感覚など、自身に起きる変化を見つめる。移りゆく社会を横目に「ファックス止り」の自分をなぐさめ、暗証番号を忘れて途方に暮れ……。一方、年長者が背筋を伸ばしてスピーチを聞く姿に爽快感を覚え、電車の乗客の「スマホ率」など新発見も。老いと向き合い見えたこと、考えたこと。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『異次元緩和の罪と罰』山本謙三[著](講談社)

日銀発「危機」の本質が明快にわかる!と絶賛の声が続々と!(講談社ウェブサイトより)

4位『吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実』藪本勝治[著](中央公論新社)

5位『放送禁止。「あさ8」で知るニュースの真相』百田尚樹[著]有本香[著](飛鳥新社)

6位『新型コロナは人工物か? パンデミックとワクチンをウイルス学者が検証する』宮沢孝幸[著](PHP研究所)

7位『老後ひとり難民』沢村香苗[著](幻冬舎)

8位『「腸と脳」の科学 脳と体を整える、腸の知られざるはたらき』坪井貴司[著](講談社)

9位『アメリカはなぜ日本より豊かなのか?』野口悠紀雄[著](幻冬舎)

10位『レコンキスタ―「スペイン」を生んだ中世800年の戦争と平和』黒田祐我[著](中央公論新社)

〈新書ランキング 9月25日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年9月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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