【話題の本】『M9地震に備えよ』鎌田浩毅著

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■「自分の身は自分で守る」ための知識

京都大で「人気No.1講義」といわれた地球科学者が日本列島に迫る巨大地震を警告し、「自分の身は自分で守る」ための知識を説いた一冊。

東日本大震災後、「大地変動の時代」に突入したという日本列島。本書では、とくに懸念される3つのM(マグニチュード)9クラスの地震を中心に取り上げた。それぞれ震源域を南海トラフ、日本海溝と千島海溝、琉球海溝とする地震だ。これに首都直下なども含めた大地震のメカニズムや被害想定、対策、地震の基礎知識まで網羅的に解説する。

特に南海トラフ地震については①2030年代に起きる②被害は東日本大震災の約10倍③総人口の約半数の6800万人が被災―の3点を強調。編集担当の西村健さんは「網羅性がある一方、覚えておくべき情報をこの3つに絞っているのが特徴」と話す。

発売3週間で3刷1万6000部。書店搬入が始まった8月8日、気象庁が南海トラフ地震臨時情報を発表した。「このタイミングで関心を持たれたのは確か。あまりの偶然に社内でも戸惑う声がありましたが、逆に今こそ伝えるべきだとなりました」。ユーチューブでの本書のPR動画が1週間で13万回再生されるなど、身を守る知識に対する需要が高まっている。(PHP新書・1320円)

三保谷浩輝

産経新聞
2024年9月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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