芥川賞受賞作『サンショウウオの四十九日』が初登場 現役医師が描く、ひとつの体にふたつの意識がある姉妹の物語[文芸書ベストセラー]

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 7月30日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『成瀬は天下を取りにいく』が獲得した。
 第2位は『暗殺』。第3位は『サンショウウオの四十九日』となった。

 3位に初登場の『サンショウウオの四十九日』は7月17日に発表された第171回芥川賞の受賞作。一つの体の中に二人の意識が存在する結合性双生児の姉妹を主人公に、生の多様さと人生の普遍を描く。著者の朝比奈秋さんは現役医師でもあり、誰にも想像のつかない世界を描いていると話題。第171回芥川賞は『サンショウウオの四十九日』ともう一作『バリ山行』松永K三蔵[著](講談社)が受賞しており、こちらは7月29日に発売されたばかり。同作は会社員の主人公があえて登山路を外れ山を登る「バリ山行」に出会い、生の実感を求めながら山と人生に向き合っていく物語。10位にランクインした『ツミデミック』は同日発表された第171回直木賞の受賞作。同作はコロナ禍での犯罪を描いた短編集。先の見えない不安のなか犯罪にかかわってしまった多様な人々の人間模様が描かれる。

1位『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈[著](新潮社)

中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。さらにはM-1に挑み、実験のため坊主頭にし、二百歳まで生きると堂々宣言。今日も全力で我が道を突き進む成瀬から、誰もが目を離せない! 話題沸騰、圧巻のデビュー作。(新潮社ウェブサイトより)

2位『暗殺』柴田哲孝[著](幻冬舎)

元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。日本の未来を奪った2発の弾丸。本当に”彼”が、元総理を撃ったのか?日本を震撼させた実際の事件をモチーフに膨大な取材で描く、傑作サスペンス。(幻冬舎ウェブサイトより)

3位『サンショウウオの四十九日』朝比奈秋[著](新潮社)

周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか?そして今これを考えているのは誰なのか――三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。(新潮社ウェブサイトより)

4位『なぞとき』畠中恵[著](新潮社)

5位『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈[著](新潮社)

6位『ノクツドウライオウ 靴ノ往来堂』佐藤まどか[著](あすなろ書房)

7位『狐花 葉不見冥府路行』京極夏彦[著](KADOKAWA)

8位『クスノキの女神』東野圭吾[著](実業之日本社)

9位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。Another』汐見夏衛[著](スターツ出版)

10位『ツミデミック』一穂ミチ[著](光文社)

〈文芸書ランキング 7月30日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年8月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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