「幸せを求めて不幸を招く人」の特徴とは 「境界知能」の少年たちの存在を知らしめた『ケーキの切れない非行少年たち』第三弾が登場[新書ベストセラー]

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 7月23日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が獲得した。
 第2位は『知らないと恥をかく世界の大問題15 21世紀も「戦争の世紀」となるのか?』。第3位は『始皇帝の戦争と将軍たち 秦の中華統一を支えた近臣集団』となった。

 4位以下で注目は『歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―』。精神科医の宮口幸治さんが、医療少年院で子どもたちと関わる中で気づいた「境界知能」の少年たちについて書いた『ケーキの切れない非行少年たち』シリーズ第三弾。表題となっている「ケーキが切れない」とは、宮口さんがある少年にケーキを3等分する問題を出したところ驚くべき図を見せられ衝撃を受け、その図が表紙に使用され大きな話題となった。2019年に発表されるとたちまちベストセラーとなり、『どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―』『ドキュメント小説 ケーキの切れない非行少年たちのカルテ』など続編も出版されシリーズ累計発行部数は170万部を突破している。今作では幸せを求めながらも、その求める方法が極めて歪んでしまっている人々の実例をあげながら、その戦慄のロジックを解説。その歪みから脱却する方法も詳述されている。

1位『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』三宅香帆[著](集英社)

「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。(集英社ウェブサイトより)

2位『知らないと恥をかく世界の大問題15 21世紀も「戦争の世紀」となるのか?』池上彰[著](KADOKAWA)

世界が脅える“トランプ再選”。アメリカの分断が世界に飛び火 ウクライナ戦争、ガザ戦争――混沌と化す2つの戦争。歩み寄れない世界は力による支配での衝突が続く。2024年秋の米大統領選挙はバイデン対トランプの再対決となる。“もしトラ”に世界が脅え備える中、新たなリーダーはこの混乱を打開することができるのか?リーダーの決断の行方と世界への影響を考える。世界、そして日本が抱える大問題を、歴史的な背景を交えながらわかりやすく解説していく池上彰の人気新書「知ら恥」シリーズ最新第15弾。大転換の時代に必読のニュース解説本だ。(カドカワストアより)

3位『始皇帝の戦争と将軍たち 秦の中華統一を支えた近臣集団』鶴間和幸[著](朝日新聞出版)

秦が中華統一を成し遂げた要因は、始皇帝(?政)の人間力、そして有能な臣下たちとの“関係性”にあった!
統一戦争を支えた李信、王?、桓?、蒙武ら将軍たちは、戦時でどう動き、何を成し遂げたのか。(朝日新聞出版ウェブサイトより)

4位『国民の違和感は9割正しい』堤未果[著](PHP研究所)

5位『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』Kazu Languages[著](SBクリエイティブ)

6位『運 ドン・キホーテ創業者「最強の遺言」』安田隆夫[著](文藝春秋)

7位『日ソ戦争 帝国日本最後の戦い』麻田雅文[著](中央公論新社)

8位『開業医の正体 患者、看護師、お金のすべて』松永正訓[著](中央公論新社)

9位『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』清水忍[著](幻冬舎)

10位『歪んだ幸せを求める人たち―ケーキの切れない非行少年たち3―』宮口幸治[著](新潮社)

〈新書ランキング 7月23日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2024年7月27日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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