東大卒の起業家が「読書ができれば他はなんとかなる」という理由 子ども時代に身につけたい「4つの力」とは

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3 EQ(心の知能指数)を高める力

IQ(IntelligencEQuotient/知能指数)は、頭のよさを測る指標として知られています。
この数値が高い人は、論理的な思考能力などに優れていることから高評価を受けやすく、就職などのときに有利になるといわれてきました。
しかし近年、IQに代わって評価の主軸となりつつある指標があります。
それがEQ(Emotional IntelligencEQuotient/心の知能指数)です。

EQが高い人は、自分の感情を把握しコントロールするだけでなく、周囲の人の気持ちも理解して適切に接することができます。
EQを提唱した心理学者ピーター・サロベイ氏とジョン・メイヤー氏は、ビジネスパーソンを対象とした調査を行い、「ビジネスで成功した人はほぼ例外なく、対人関係能力に優れている」と結論づけました。
IQが高くても、コミュニケーション能力が低い人はチームの生産性を下げやすく、成果に結びつかないことがあります。
それに対して、EQが高くスムーズなコミュニケーションをとれる人は協力者が集まりやすく、たとえIQが低くても成功するケースが多いというのです。

採用時にEQに着目する企業は少しずつ増えていますが、実は当社Yondemy(ヨンデミー)もそのうちの一社です。
EQ重視の採用をしている当社では、相手の気持ちを思いやれるメンバーが揃っているおかげで、お互いのいいところや伸ばせるところを素直に伝え合えたり、どのメンバーとも気軽に相談できたりします。
そんな理想的な環境だからこそチームの生産性も上がり、サービスの充実に力を注げるのです。

今の日本の教育では、EQよりもIQが重視されていることは間違いありません。
しかし、IQだけが高くても社会でうまくいくとは限りません。IQを生かして活躍していくためには、EQを高める必要があるのです。

それでは、どうすればEQを高めることができるのでしょうか。
効果的だといわれているのは、文学作品を読むこと。
文学小説をたくさん読んだ人は、人の感情を読み取る能力に長けているということが、心理学者のデイビッド・キッド氏とエマヌエーレ・カスターノ氏によって報告されているのです。

笹沼颯太(ささぬま・そうた)
1999年千葉県生まれ。株式会社Yondemy代表取締役。 筑波大学附属駒場中学・高校時代に英語の多読塾で指導を受ける。 2023年、東京大学経済学部経営学科を卒業。同大在学中の2020年に中高時代のスキルを活かして友人3人と読書教育サービス「ヨンデミー」を設立。 起業や会社の経営、営業、運営のすべてを「本から学びました」と語る。

Book Bang編集部
2024年7月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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