「女性だらけの職場」にいる男性はハッピーか? 調査でわかった“男と女の意外な事実”とは

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女性が多い職場の居心地は?

「うちの職場は女性が少ないから…」「もっと女性が多ければいいのに」。

女性の少ない職場に勤める男性から、こんなため息交じりの声を聞いたことがあるかもしれない。

ならば、女性が多い職場で過ごす男性はさぞ幸せな日々を送っているかというと、そういうわけではないらしい。

他人や周囲の環境でどんな影響が生じるかを分析し研究する学問の社会心理学で、女性が多い職の一つである客室乗務員を対象にした調査がある。その結果を伝えるのが、心理学者・内藤誼人さんの『すぐに実践したくなる すごく使える社会心理学テクニック』(日本実業出版社)だ。人生に役立つ社会心理学の知識を、同書から紹介しよう(以下、引用は同書より)。

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女性の多い職場での男性の意外な気持ち

職場に女性が圧倒的に多く、女性と男性の比率が9対1くらいの職場があるとします。

さて、もし読者のみなさんが男性であるとして、かりにその職場で働くことになったら、いったいどういう気持ちになるのかを予想してみてください。

「そんなの天国に決まっているじゃないか」

「まるでお花畑のような職場じゃないか」

「たぶん、ものすごく張り切って仕事をすると思います」

おそらくは、そのようなイメージを持つのではないでしょうか。けれども、実際にはそのようにならないのです。不思議ですよね。

ミシガン大学のジョアンナ・ヤングは、236名のフライトアテンダント(客室乗務員)を対象に、職務満足感や、仕事への態度を尋ねてみました。

飛行機に乗るとわかるのですが、接客をしてくれるフライトアテンダント(キャビンアテンダントと呼ぶこともあります)は、ほとんどが女性。男性にはめったにお目にかかりません。私は人生で一度も男性のフライトアテンダントにお目にかかったことがありません。

そういう女性比率の高い職場で、男性はどう思うのかをヤングは調べてみたのでした。

調べてみると、男性のフライトアテンダントほど職務満足感が低く、仕事に対してもネガティブな態度を持っていることがわかりました。

「ええっ、周りが女性ばかりなのに?」と思いますよね。ところが、話はそんなに簡単でもないのです。

イメージと現実は食い違うもの

職場の女性比率が高いと、男性は少数派。だいたいどんな組織でも、マイノリティ(少数派)に属する人のほうが、肩身の狭い思いをするものです。いつでもビクビクしていなければなりません。精神的にものすごく疲れます。そのため、職務満足感も低くなるのです。

男性比率の高い職場で働く女性は、毎日、そういう思いをしているのです。

あるいは、外国人の比率が多い中で働かなければいけない日本人も、毎日、とてもストレスを感じるに違いありません。

というわけで、お花畑のように女性が多い職場というのは、男性にとってそんなにうれしいものでもなさそうなのです。

おかしな期待を抱いて、なるべく女性の多い職場に就職しようというのは間違いですので、気をつけてください。

もともと女子高で、ある年を境に男子の入学を認めるようになる学校もあると思いますが、早まってそういう学校に入学してはいけません。「毎日、ウハウハの気分で過ごせるじゃないか」と思うのは早計で、実際には、女性に気を遣い、肩身の狭い思いをして、ビクビクしながら年間を過ごさなければならなくなってしまいます。

イメージと現実が食い違うことはよくあります。あとで失敗したなあ、と後悔しないようにするには、どんな選択をするにしろ、きちんと下調べをしておくことが大切です。

人の行動や感情が、他人やまわりの環境によってどのような影響を受けるかを分析・研究する学問「社会心理学」。ビジネスでも、勉強でも、恋愛でも、その知識は驚くほどに役に立ちます。たとえば、職場での人間関係。互いの心理を読み違えると、ギクシャクした雰囲気に……。心理学者・内藤誼人さんの『すぐに実践したくなる すごく使える社会心理学テクニック』から、人付き合いに役立つ事例をご紹介しましょう。

内藤 誼人(ないとう よしひと)/心理学者。立正大学客員教授
有限会社アンギルド代表。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、心理学の応用に力を注ぎ、ビジネスを中心とした実践的なアドバイスに定評がある。『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)、『心理学BEST100』(総合法令出版)、『人も自分も操れる! 暗示大全』(すばる舎)、『気にしない習慣』(明日香出版社)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など、著書多数。

日本実業出版社
2024年6月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

日本実業出版社

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