■マンガの生態系を大きくしていきたい
――応募者にとっては豪華で夢のある文学賞ですね。
斉藤:賞金が大きいことも魅力だと思いますが、ここから人気ノベルが生まれて、それがSMARTOON化やマンガ化して、さらに映像化も目指せるかもしれませんし、2次利用や3次利用されるような良質な作品が出てくることを期待しています。それに、ピッコマは電子マンガのイメージが強いかもしれませんが、結構ノベルの人気もあってよく読まれているんです。だから、ノベルの賞をやる意義は十分にあると思っています。
――なるほど。普通なら、人気の高いマンガやWEBTOONの分野だけ伸ばせばいいやと思いそうですが、そうではないんですね。
杉山:ピッコマが当初から掲げている理念に「マンガの生態系を大きくしていこう」というものがあるんです。 “生態系”の中には、ピッコマのようなプラットフォームもあれば、出版社のような作品を提供してくださる制作をする会社、作家さんという作品を生み出してくださるパートナーの方もいらっしゃいます。
後発サービスとして参入した際、どうやって読者を獲得しようかという問題がありましたが、ライバルのプラットフォームから読者を奪ったり、出版社さんに無理なお願いをして作品をお預かりしてきたりしても、結局はパイを取り合うことになってしまうため、業界にとって良くないよね、と。
それより、今マンガを読んでいない方にマンガの良さを知っていただき、新たな読者になっていただくようにしたいと思いました。
「待てば0円」で作品を楽しめる仕組みでマンガの読み方のハードルを下げてみたところ、読者の方々は全部の作品をタダで読むのではなく、購入して読んでくださるようになりました。現在のピッコマには、マンガを読む習慣がなかった層の方も集まってくださるようになり、それが作品数や売上などの数字として表れるようになりました。
こうした“生態系”を大きくしていく流れの一環として、賞をきっかけにマンガ好きの方にもノベルに興味を持ってもらいたいですし、受賞作品がマンガ化やSMARTOON化されることでノベルへの読者誘導がさらに期待できると思っています。
――応募しようかと思っている方に向けて、メッセージをお願いします。
浅野:第1回ピッコマノベルズ大賞で1次審査を通過した作品の中には、人気連載となって受賞前から収入をちゃんと確保できている作家さんも出てきています。まだ知名度が高くない今が狙い目です。ピッコマが皆様を応援しますので、ぜひ夢を掴んでください。
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