対抗策を研究
対策の基本は、カミキリが寄生した樹木を伐採することなの。でもそれ以外の対抗策も研究されているわ。
森林総研は、殺虫剤を木に注射し、幼虫を駆除する「樹幹注入剤」の効果を確かめた。クビアカの幼虫が寄生したサクラの木5本に注入したところ、2週間後には寄生した穴の72%でフンが混ざった木くずが出なくなったそうよ。森林総研では木の幹を振動させ、成虫を驚かせて産卵させない装置も開発中よ。
群馬県館林市は、クビアカの死骸を市役所などに持ってきた人に報奨金を出す施策を進めているわ。1匹につき報奨金50円か飲料水を贈る事業で、これまでに約2万匹の駆除に成功したそうよ。クビアカの幼虫は5~9月に樹皮に穴を開けてを排出する行動をするわ。もし外来種カミキリを見つけたら、すぐに市区町村の窓口に連絡をしてね。
他の昆虫も続々 156種の輸入など規制
外来種の昆虫はカミキリムシ以外もいるわ。特に悪名高いのは、南米原産のヒアリね。腹部の毒針に刺されると、焼けるような痛みに襲われるの。海外から来た船に紛れ込んで、各地の港などに侵入していることが確認され、大きな問題になっているわね。
欧州原産のセイヨウオオマルハナバチは、在来種の巣に侵入し、女王蜂を殺して乗っ取ることもあるそうよ。昆虫以外にも、哺乳類のアライグマ、両生類のウシガエル、魚類のオオクチバスやブルーギルなど、問題となっている外来種はさまざまいる。
近年のグローバル化によって、外来種もますます増えているわ。国は外来生物法で、156種を「特定外来生物」として指定し、輸入や売買などを規制している。
2022年5月11日、外来生物法が改正されたわ。ヒアリのような強い毒を持つ特定外来生物を、特に政令で「要緊急対処特定外来生物」に指定し、国内に侵入しないように検査など国の権限を強化することになったわ。
読売新聞 科学部 稲村雄輝
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