新しいNISAは何が変わった? 初心者におすすめ「つみたて投資枠」のメリットと金融口座の選び方

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NISA口座を開く金融機関はどうやって選ぶ?

 NISAを始めるには、NISAを扱っている証券会社や銀行などの金融機関に、専用のNISA口座をもつ必要があります。NISA口座は1人1口座しかもてないので、どの金融機関にNISA口座をつくるかは大変重要です。あとになって金融機関を変えることもできますが、変更は1年に1回しかできません。次のような点をチェックして、初めに自分に合った金融機関を選べば、NISAのメリットである長期投資をラクに続けられます。

(1)扱っている金融機関を選ぶ
 大手銀行や証券会社で扱っている、つみたて枠の投資対象は10~20本程度(ETFを含む)とあまり多くありません。商品数と種類なら、インターネット取引専用の「ネット証券」が断然多いです。自分が興味のある投資信託を扱っている金融機関を選ぶことが大切です。

(2)頻度と投資額
 また、積み立ての頻度は「毎月」「毎週」「毎日」など金融機関ごとに異なります。積立投資の最低額も、100円、1000円、1万円などと異なります。積立投資額をクレジットカードで決済できたり、ポイントが付与されるなど、金融機関ごとに特色やメリットもあります。


NISAができる主な金融機関の例(つみたてNISAでの実績)

運用未経験がお金を運用するときの5つの心得

 NISAがお金の運用(投資)に有利な制度だとわかっても、「投資はむずかしそう」とか「損をするのが怖い」という人はいるでしょう。確かに、運用でお金を増やすのは簡単なことではありません。運用の未経験者には、始める前に心得ておきたいことがいくつかあります。

(1)余裕資金で行う
 運用の元手は、いますぐ使うあてのないお金、「余裕資金」をあてましょう。そして最初は少額から始めるのがおすすめです。少ない資金で運用の経験を積めば、その後、運用額が大きくなったときに成功する可能性が高まります。

(2)結果を急がず、長い目で見る
 運用すれば必ず利益が出るわけではありません。トクをすることもあれば、ソンをすることもあります。ビギナーほど、早く儲けたい、結果を出したいとあせりがちですが、それはいけません。結局「長期で、コツコツ」がいちばん手堅く、利益を出しやすい方法です。

(3)欲張り過ぎは禁物
 短期間で大きく儲けようとして、ムリに多額の元手をかけたり、利益を確定するタイミングなのに、さらに大きな利益をねらうなど、欲張り過ぎは禁物です。また、マイナスの結果になったときは、損を覚悟でその運用を中止する、「損切り」の判断も大切です。

(4)長期運用は複利効果がカギ
 複利効果とは 、運用した元手(元本)と、それが生み出す利息を、ふたたび運用に回すことで、さらに利息がつく仕組みです。長期でお金を運用するメリットの1つは、この複利効果が得られることにあります。

(5)自己責任で行う
 運用は、自分自身の判断と責任によって行うものです。他人のアドバイスや情報を鵜呑みにして、その結果、損をすることになっても、誰も補償してくれません。

 これらを頭に入れて、お金の運用を始めましょう。

鈴木一之(スズキカズユキ)
株式アナリスト。千葉大学卒業後、大和證券に入社。株式トレーディング室に配属され、株式トレードの職務に従事。2000年に独立後、独立系株式アナリストとして、相場を景気循環論でとらえる「シクリカル銘柄投資法」を展開。景気、経済、株式、投資信託の動向などのわかりやすい解説に定評がある。テレビ、ラジオで市況解説を担当するほか、各種メディアや講演会でも活躍中。 『賢者に学ぶ 有望株の選び方』(日本経済新聞出版社)、『景気サイクル投資法』(パンローリング)などの著書のほか、『経済用語イラスト図鑑』『マンガでわかる投資信託入門』(いずれも新星出版社)などを監修。

Fun-Life!
2024年4月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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