「君の名は。」映画と小説どちらを先に楽しむのが正解か 新海誠監督が答えた
テレビ・ラジオで取り上げられた本
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- 小説 君の名は。
- 価格:616円(税込)
10月8日放送のTBS「王様のブランチ」のブックコーナーに映画監督の新海誠さん(43)が出演し、映画と小説の関係について語った。
■123万部を突破した小説版は一人称で描かれる
社会現象にもなっている映画「君の名は。」。ヒットしているのは映画だけではなく新海監督自身が執筆した『小説 君の名は。』(KADOKAWA)は123万部を突破し、関連本も含めると累計213万部を突破。映画を見た後小説を読み、再度映画を見るというリピーターも続出している。
番組でインタビューを受けた新海監督は、映画製作と小説の執筆を同時に進めていたと明かす。同時進行でつくり上げた映画と小説で大きく違うところは物語を語る視点だという。小説は一人称ですすみ、登場人物の女子高生三葉の視点と男子高校生瀧の視点が交互に入れ替わる。映画では2人を外から見た視点、三人称で場面が描かれる。映画では音楽や映像で登場人物の心の動きをあらわしているが、小説では彼らの心情がつぶさに描かれる。
■映画と小説の違い
そして新海監督は映画とは「身をゆだねるもの」、小説とは「自ら入りこむもの」と違いを語る。その違いは時間軸の存在に由来しているという。
映画は上映時間の107分間(「君の名は。」の場合)「こちらが徹底的にコントロールする。ここでドキドキしてもらおう、ここでスピードをあげてお客さんを混乱させよう」と全てが作り手のコントロール下にあると述べ、観客は作品を楽しむためにストーリーに身をゆだね、107分間心地よく翻弄されるのがその魅力だと解説された。
一方小説は2時間で読む人もいれば2週間かけて読む人もいる。そのため物語の世界に自ら入り込むことが必要だという。「座っていれば入ってくる映画とは違い、自分からキャラクターに入り込む努力が必要。でもその努力を払った分、映画ではわからなかったより深い情報を与えてくれるのが小説」だと小説ならではの魅力を語った。
■映画→小説→映画がベスト!
番組解説者で早稲田大学文学学術院准教授の市川真人さんは、主人公2人の心理描写がすごく丁寧に描かれている。「心の中を言葉だからこそ描ける。2人の距離がどう近づくかということがビシビシわかってくる。映画を撮る人ならではの小説です」と絶賛した。そして最後に映画と小説どちらを先に楽しむのがよいかという質問に新海監督は、映画をまず見て、その後小説で主人公の心情を確かめて、また映画館に行くのがベストだと答えた、と明かされた。
「王様のブランチ」はTBSにて毎週土曜日9:30から放送中。
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